20220812 不明熱レクチャー

不明熱のレクチャーをお聞きした。

臨床から遠ざかっているので、基本的なことも抜けていて不安であるが、そのことを認識できてよかった。院内の発熱、市中の急性発熱の鑑別診断の考え方を復習できた。

 

5年間で経験した印象的な不明熱(フォーカス不明の発熱で最終診断がついたもの)の症例を思い返す。

 

自分も関わった症例

・リンパ節種大→悪性リンパ腫

・高齢発症の成人スティル病

https://doi.org/10.2169/internalmedicine.9487-22

CRP陰性の高熱持続、コロナ陰性→無菌性髄膜炎→自己免疫性脳炎

頭痛や髄膜刺激兆候はなかった。わずかに低ナトリウム血症を認めていた。初診の時点で髄液検査すべきだったと反省した一例。

・不明熱と思いきや、靴下を脱がせておらず、蜂窩織炎だった反省症例。

・高齢の周期性発熱→家族性地中海熱

・CAEBV疑いで紹介→はっきり診断できず

・ANCA関連血管炎

・不明熱→改善後に引き継ぎ→側頭動脈を触知→GCA、しかし治療せずに寛解しすっきりせず

 

見聞きした症例
結核性腹膜炎との鑑別が困難であった腹膜サルコイドーシスと考えられる一例

https://doi.org/10.12936/tenrikiyo.24-008

・TAFRO症候群

doi: 10.1016/j.jiac.2022.04.005.

 

病院の性質上、やや膠原病の割合が多かったのかもしれない。

臨床に復帰して、また不明熱に遭遇したら、渡航歴や結核暴露歴など、病歴を丁寧にとることを心がけたい。