ジャーナルクラブ BMJ
ジャーナルクラブでBMJの生活習慣が記憶力低下と関連するか("Association between healthy lifestyle and memory decline in older adults: 10 year, population based, prospective cohort study" https://www.bmj.com/content/380/bmj-2022-072691)というテーマの研究を読みました。
アウトカムを「全般的な認知機能(MMSE)」ではなく「記憶力の低下」に着目した点と、遺伝学的なリスクとの交互作用を評価した点で新規性があるようです。
月並みな感想ですが
・新規性の軸が分かりやすい。文章も読みやすい。
・感度解析を丁寧にしており、DAGで共変量も検討しており、観察研究で因果推論に真摯に取り組んでいてすごい!(それでも、抄読会では鋭い指摘あり、なるほどと思った。)
・Cross-lagged analysisで逆因果を否定できるのか?→関連する論文、読む
・脱落を扱う際の逆確率重み付け:脱落を従属変数として扱う?
・年齢の”2乗”を調整 線形性の仮定が不要というか、年齢とともに加速度的に記憶力が低下していくことを表現できるのに納得。
・three-way interaction?
・interactionがjoint interventionを前提としているなら、遺伝子はunmodifiable factorなので、厳密にはeffect modificationというのが妥当か?
いつもは多くの論文をつまみ食いしてしまっていますが、今回、一本の論文を精読するのも論旨の構成など勉強になるなと思いました。時間はかかりましたが。
このような機会を通して論文を精読することで①academic writing の向上②methodologyの理解 につなげていきたいです。